三重交通松阪線の機関車と客車を作る(1)

ナローゲージの沼に沈んでからずっと作りたいと思っているテーマを始めることにしました。
それは近鉄(旧三重交通)系の特殊狭軌線です。
簡単にまとめると、三岐の北勢線、今はあすなろうな内部・八王子線近鉄に譲渡されることなく廃止された松阪線の3路線。
人生の中で初めて触れたナローゲージ北勢線だったせいか、この系統はいつかまとめて模型で作りたい・・・と考えていました。

最近になってようやく、素材や資料がある程度揃ってきたので少しずつ手を付けていこうと思います。

 

最初は三重交通の松阪線の機関車と客車、ワールド工芸のデ61とアルモデルの軽便ボギー客車Aです。

ワールドのキットは古いキットでヤフオクで運良く入手することができたものです。
アルモデルの客車は「タイプ」とありますが、テールライトとベンチレーターを追加するだけで三重交通のサニ420となります。
サニ420は元々は北勢線で活躍し、その後松阪線へ転属しモニ200といった丸妻の電車や機関車(デ61)に牽かれて走っていました。
電車もいいなと思ったのですが、機関車と客車の凸凹感が面白そうなのでこの組み合わせで製作することにしました。

 

 

まずはデ61の動力ユニットから作っていきます。
走らなかったら何にも始まりませんからね。

 

車輪、ギア、モーターの台座となるパーツをランナーから切り出し、必要な箇所を折り曲げて折り目にごく少量のハンダを流して補強とします。

この先の組み立てに進むには塗装が必要となります。

モーターと接続するヒゲ、車輪の接触部は通電するために必要なのでマスキングし、塗装に備えます。

 

台座は台車の一部を兼ねているので黒色に塗装します。
おそらく実車は台車が灰色だったと思われるのですが、勢い余って手元にあった黒色を塗ってしまったのでこのまま進めます。

 

塗装が完了したら、台座に組み込む車輪やギア、ネジなどのパーツをキットの箱の蓋に取り出します。
一つ一つのパーツが小さく数も多いので、このようにして作業中に紛失しないようにしました。

 

説明書に従い、ギアを台座へ組み込みます。
ギアはプラスチック製で多少のバリがあり引っ掛かる感じがしたので、1000番の耐水ペーパーを板に貼り付けて両面を軽く撫でてバリを除去しておきました。
取り付け後は指でギアを回し、この時点でスムーズに回転することを確認しておきます。

 

車輪、モーター、集電ブラシを取り付けて動力ユニットの組み立てが完了しました。
集電ブラシは車輪に軽く押し当てるように曲げておきます。
ブラシが車輪を押し当てる力が強すぎるとブレーキとなってしまうので、あくまで軽く当たるように調整しておきます。

 

この状態でテスト走行をします。
古い製品だったのでちゃんと走るのか?が不安要素の一つでした。

動力ユニット単体でスローも効いてスムーズに走ったので満足です。

 

動力ユニットが出来上がったので床板と台車枠を作っていきます。
ランナーから必要なパーツを切り出してゲートの跡を処理しておきます。
折れ目の山折り・谷折りは間違えないように特に気を付ける必要があります。

間違えて直そうとすると折れ目でパーツが折れてしまう可能性があり、そうなると手間が増えることになるからです。

説明書をよく読んで完成後の姿をイメージして折り曲げていきます。

 

折り曲げてハンダを流して組み立て完了の図。

 

ワールドのキットは板厚が薄めで繊細な部品が多いので、ハンダゴテを当てすぎるとパーツ全体に熱が回り、熱膨張で歪んだり取り付け済みのパーツが外れてしまいそうになります。
以前製作した草軽のデキではこのようにならないようにするためのコツが分からず、組み立てに多少苦労しました。
今回はその経験があったので、取り付けたいパーツ周辺のみに熱が回ることを意識してハンダ作業を進め、結果として苦労することなく仕上げることが出来ました。
何事も経験が大事ですね。

 

下回りの組み立てがほぼ終わったので、次は楽しい上回り(車体)を作っていきます。